イタリアンレストラン伊和香

大阪府豊能郡豊能町ときわ台にひっそりと佇む、イタリアンレストラン伊和香。お客様の健康寿命を第一に、無添加、化学調味不使用、肉野菜などの原材料は全て国産に拘り抜く、一風変わったレストランです。

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食品添加物と健康①人工甘味料

食品添加物と人工甘味料 添加物

今回の記事は、以前投稿していた記事(添加物と健康①)を大きくアップデートを行い、「添加物の概要」と、当記事の「人工甘味料」を2つに分けた「再投稿」となります。

再投稿と言いつつも、新しく書き上げた内容がほとんどです。
当記事をお読みいただく方は漏れなく、健康についてとても大切な情報を得ると同時に、重要な論点を捉え、そしてそれを自分自身に置き換え考えて頂ける事と存じます。

以前投稿された「人工甘味料」は既に読んだよー!と言う方、そうでない方も是非最後まで読んでくださいね♪

人工甘味料は危険なのか

なぜ!?再投稿するほど記事をアップデートしなければならなかったのか!?

実は、現在「食品添加物と健康」シリーズ4番目(増粘剤)を書きつつ論文を読み漁っていたのですが、人工甘味料に関するとても重要な資料に巡り合いました。

そこで書かかれたいた内容とは!?

AAJSと言う名のサイトの論文ウォッチに、人工甘味料による糖尿(Nature オンライン版掲載論文)と言う記事が投稿されていました。

人工甘味料をテーマに投稿していたので、気になって読み進めると、国際的な週刊科学ジャーナル「Nature(ネイチャー)」に掲載された「Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota(人工甘味料は腸内細菌叢を変化させ耐糖能異常を引き起こす)と言うタイトルの記事について述べていたんです。

一部抜粋します。

私たちが砂糖を制限する目的で使っている、サッカリンを始めシュルラロース、アスパルテームを摂取すると、グルコース負荷に対する反応性が落ち、糖尿病予備軍状態になると言う結果だ。この状態は、私たちの糖代謝システムに人工甘味料が直接働いて起こるのではなく、人工甘味料が腸内で細菌叢を変化させたことによる間接効果である事を示している。

人工甘味料摂取により糖尿病予備軍なる可能性は知っていましたが、その理由が「腸内細菌叢(腸内フローラ)を変化」によるものだとは、この時初めて知りました。

腸は第二の脳とも呼ばれ、更に腸内細菌次第で健康にも不健康にもなる、と言われる現在、ある意味最も重要な論点だとそれこそ本能的に感じたんです。

そして早速、ソースとなる論文を読もうと思い「Nature」で掲載された記事を探したのですが、有料だった為に断念。
代わりとなる学術資料を探していると幾つかヒットし、そのうち一つ「名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報第15「人工甘味料と健康」」に於いて、同様の論点を指摘されていました。
そして「腸内細菌叢の変化」が様々なリスクを引き寄せていると確信し、更に日本生化学会のサイトで「食と腸内細菌が織りなす腸内代謝環境の構築と健康への影響」や、ジョージ・ワシントン大学と国立標準技術研究所の研究者が発表した「Diet, nutrition have profound effects on gut microbiome(食事と栄養は腸内細菌叢に大きな影響を与える)」などの論文と遭遇、難しい内容ではありましたが全て読み理解を深めました。

以上を踏まえ、各種論文や参考資料を引用しつつ考察を交え纏めたいと思います。

論文によっては、全く異なることを主張している場合もあり、実際のところ専門家でない限り読み解くことは困難なのですが、理解が及ばばなければ都度調べて解釈するよう努めています。
とても時間がかかる作業ですが、とても勉強になりますし、伊和香で提供する料理や当ブログなど情報の発信に役立てています。

甘味料と分類

改めて甘味料とは、「糖質系」と「非糖質系」に分類され、更に「糖質系」は「単糖類、二糖類」に分かれます。因みに「砂糖」は、二糖類グループに属します。
そして、非糖類甘味料のうち天然由来ではなく人工的に合成された甘味料が人工甘味料と定義されています。

(参考文献:名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報第15「人工甘味料と健康」より)

人工甘味料の種類

人工甘味料は砂糖に比べ甘く感じる成分が非常に高く、更に消化吸収せずに排出されるためカロリーはありません。そのため、砂糖の代替として人工甘味料の使用が増加しています。
ジュースやアイスクリームを初め、ありとあらゆる製品に使用されており、非常に摂取頻度の高い添加物でもあるわけですね。

現在、日本で使用許可が出ている人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテームの6 種類です。
その内で主に使用される3種類を以下纏めます

甘味料名原料主な輸入国説明文
アスパルテームアスパラギン酸とフェニルアラニンの2種類のアミノ酸ウルグアイ、フランス1965年に米国で開発されたアミノ酸系甘味料で、カロリーは砂糖と同じ1グラム当たり4キロカロリーであるが、甘味度は砂糖の200倍であるため、カロリーを低減することができる。
スクラロース砂糖英国1976年に英国で開発された甘味料で、甘味度は砂糖の600倍であり、カロリーは1グラム当たり0キロカロリーである。
アセスルファムKジケテンという酢酸由来の物質と酸性洗浄剤などに利用されるスルファミン酸ドイツ、中国1967年にドイツで開発された甘味料で、甘味度は砂糖の200倍であり、カロリーは1グラム当たり0キロカロリーである。

人工甘味料とリスク

砂糖の摂取は血糖値の上昇を招き、さまざまな生活習慣病のリスクを抱えます。
その一方で、人工甘味料は大抵のリスクを回避できるとされ、非常に多くの食品で使用さていますが、本当にノーリスクなのでしょうか?

 人工甘味料はいわゆるダイエット食品に多く含まれており、甘みを損なわずに清涼飲料水や菓子を楽しむことができる。
しかし、人工甘味料の使用は、長期的にみると本来の目的とは逆効果を生む可能性が指摘され始めている。

人工甘味料は肥満や糖尿病のリスクとなり、心臓病がんを引き起こし、死亡リスクを高める。抑うつや不安などの精神神経作用があり、その影響は扁桃体の遺伝子発現の変化により子孫まで続く可能性さえ指摘されている。

妊婦では人工甘味料による早産の危険性もあり、成長期である小児への影響も心配されるがエビデンスはまだ少ない。WHO では2023年に、人工甘味料を体重コントロールや非感染性疾患のリスク低減の手段として使用しないとの勧告を出している。このように人工甘味料をめぐる考え方は大きく変化してきている。

名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報第15「人工甘味料と健康」要旨より

上記の通り、WHOを初め世界各国で警鐘を鳴らしています。
なぜ「消化吸収さるはずのない」人工甘味料が、肥満や糖尿病のリスクとなるのでしょうか。
精神の神経作用にも影響する恐れもあり、子孫まで影響を受ける可能性が指摘されるのでしょうか。

とっても不思議ですよね。

人工甘味料は名の通り人工的に作りだしたもので、摂取してはならない薬品等を使用しいる場合もあるそうで、加えてその大半が輸入品ですし、更に不安が重なります。

ヒト体内に於ける消化と吸収

ヒトは、食べ物から栄養を摂ることで活動エネルギーを得て生命を維持しています。
では、どのように食べた物から栄養を摂取するのでしょうか。
皆さんご存じの通り、腸で吸収するのですよね。

ここでは、細かいプロセスの説明は省きますが、最終的に腸の周りにある血管に取り込まれることを「吸収」と呼び、栄養素が腸内で吸収できるサイズまで小さく(低分子化)することを「消化」と呼びます。
では、人工甘味料が「消化吸収されない」と評価されるのは、胃酸(その他酵素)で「低分子化)」されず、腸で血管に取り込めない(吸収されない)、と言うことですよね。

では、最終的に食べた物はどのようにして低分子化するのでしょうか。
胃酸などの酵素だけ?

腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と消化

改めて、腸内細菌叢(腸内フローラ)って皆さんご存知でしょうか?
以前NHKの番組「人体」シリーズの「腸」で紹介された「腸内細菌」、当時凄い反響があったらしく、各種メディアでも取り上げられましたよね。

この腸内細菌は、人が食べたもの一部を最終的に「分解」する役割を担っていると言われており、現在活発に研究が進められているようです。

タンパク質の消化と吸収
よく耳にする「タンパク質」とは、一体どのようなものなのでしょうか。
タンパク質を理解するうえで最も重要なのが、構成要素のアミノ酸です。
アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基と呼ばれる官能基からなる分子で、アミノ酸には様々な性質を持つものが存在するとされ、それらタンパク質の機能を多様性を齎しているとされています。従ってタンパク質とは、アミノ酸がペプチド結合によって連結した高分子(大きな分子)と説明ができます。タンパク質を消化酵素及び加水分解されると、アミノ酸やペプチドになり、アミノ酸は概ね小腸で吸収されることが知られています。
 ペプチドは、アミノ酸が少数で結合したものであり、小腸で吸収されなかったペプチドは酸素濃度の低い大腸へ運ばれます。そうすると待ち構えている「嫌気性の腸内細菌」がペプチドを取り込み(食べて)排泄(代謝と呼ぶ)。その排泄された化合物は、アミンやアンモニア、短鎖脂肪酸などに分解されます。化合物は、摂取したタンパク質を構成するアミノ酸の種類や構成により異なるようです。
 大腸に於けるペプチドの腸内細菌代謝が多くなると、腸内phが傾いたり、ペプチドを好む細菌が増殖することで腸内細菌叢の組成を変化を促し、結果として病原性細菌の増加や大腸癌のリスクを高め、免疫機能など悪影響を与えるとされています。

この「腸内細菌」の種類や働きが「消化吸収」、更に「解毒」や「免疫機能の活性化」、各種「ビタミン」の合成にもかかわっているようです。
他にも、各種アレルギー反応や花粉症、代謝の問題を引き起こし肥満なども関わりがあるとの報告もあります。

文献「栄養と腸内細菌叢に関する最新の研究」の議論より、一部を紹介いたします。
世界各国で「腸内細菌」を対象とした研究がされており、その重要性を垣間見れると思います。

食事に関する研究の多くは炭水化物に焦点を当てています。食事に含まれる植物由来の多糖類は腸内細菌叢の燃料となるからです。実際、多くの多糖類は繊維(難消化性デンプン、オリゴ糖)であり、人間だけでは消化できません。その代わりに、細菌叢が繊維を代謝し、エネルギー収穫量の増加や宿主にとって有益な副産物を生み出します。これらの炭水化物の種類、量、サイズによって腸内細菌叢の構成が決まり、食事に含まれる繊維含有量は多糖類を利用する細菌叢や腸内細菌叢の多様性と正の相関関係にあり、一般的に健康の指標と考えられています。

微生物叢によるタンパク質代謝は、TMAO などの潜在的に危険な副産物につながる可能性があります。これらの関係は、腸内微生物叢の構成と機能、および腸の健康によって決まる可能性があります。たとえば、高脂肪、高タンパク質、低繊維の食事をしている雑食動物は、結腸で TMAO が大量に生成され、腸の通過時間が遅くなるため、大腸がんになる可能性があります。対照的に、高脂肪、高タンパク質、高繊維の食事をしている雑食動物は、TMAO の生成 (同程度またはより低いレベル) と腸の通過時間が速く、腸の通過時間が速いため接触時間が短くなるため、大腸がんを回避できます。

Diet, nutrition have profound effects on gut microbiome
ジョージ・ワシントン大学と国立標準技術研究所の研究者らは、栄養と腸内細菌叢に関する最新の研究を評価 議論より抜粋

いかに、腸内細菌叢の組成を変える事が、健康に対して大きなリスクを与えてしまうのか、理解頂けたと思います。

上記引用でご紹介した論文は、研究の意義を以下のように説明しています。
「The ability to measure the gut microbiome led to a surge in understanding and knowledge of its role in health and disease. The diet is a source of fuel for and influencer of composition of the microbiome.
腸内微生物叢を測定できるようになったことで、腸内微生物叢が健康と病気に果たす役割についての理解と知識が急速に深まりました。食事は微生物叢の燃料源であり、その構成に影響を与えます。」

食事によって腸内細菌叢が変わるのであれば、世界の国単位、更にミクロな地域単位で変わる、と言うことを示唆していると言えます。
その土地で食べられて来た食事は、腸内細菌的にも重要であると言えそうですね。
そこへ、科学的に作られたものを頻繁に摂り入れる、となれば尚更、腸内細菌叢の組成に大きなリスクを与える事は必然ではないでしょうか。

腸内細菌叢の組成変化による問題

これまで見てきた通り、主に食事によって腸内細菌の組成が変化する訳ですが、もう少し論文を引用しながら、健康に対してどのような影響を与えるのか確認致します。

以下、厚生労働省のサイトでe-ヘルスネットよりご紹介いたします。
少し長いので、お時間あるときにお読みくださいね。

腸内細菌と健康

腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています。体の健康には、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。善玉菌を増やすオリゴ糖や食物繊維を十分にとって、同居人である腸内細菌と協同して健康を作ることが大切です。

ヒトの腸管、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内細菌叢(そう)や腸内フローラとよばれます)が生息しています。ヒトの腸内細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されています。これらの菌は互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっています。腸内細菌の中で一番数が多い菌は中間の菌で、次に善玉菌が多く、悪玉菌は少数です。腸内細菌の種類は個人によって極めて多様で異なり、さらに食事・在住国などの要因によっても異なるとされています。また、菌の数は年齢によって増減はあるものの、菌の種類は一生を通じてほとんど変わらないことも報告されています。例えば抗生物質の飲用や食中毒では腸内細菌は大きく変動しますが、時間の経過とともに元に戻るとの報告があります。

悪玉菌は、たんぱく質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。一方、健康的な腸内細菌は、ビフィズス菌や乳酸菌(正確には乳酸桿(かん)菌)などの善玉菌が優勢であり、その他の菌ができるだけ劣勢である状態です。善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ります。また善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生します。さらに善玉菌の体を構成する物質には、体の免疫機能を高め、血清コレステロールを低下させる効果も報告されています。

腸内の善玉菌の割合を増やす方法には、大きく分けて二通りあります。
まず一つめは、健康に有用な作用をもたらす生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。食品ではヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものです。ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、住み着くことはないとされています。そのため、毎日続けて摂取し、腸に補充することが勧められます。なお、善玉菌は生きて大腸まで到達しないと意味がないと言われますが、死んでしまっても善玉菌の体を作る成分に有効な生理機能が期待できます。

二つめは、腸内にもともと存在する善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」を摂取する方法です。食品成分としてはオリゴ糖や食物繊維で、これらの成分は野菜類・果物類・豆類などに多く含まれています。消化・吸収されることなく大腸まで達し、腸内にもともと存在する善玉菌に、好きな炭水化物の「エサ」を優先的に与えて、数を増やそうという考えです。オリゴ糖は、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品にも多く含まれていますので、これらの食材を食事に取り入れると良いでしょう。また特定保健用食品などで市販されているものもあるので、効率的に摂取するにはこれらを利用するのも一つの方法です。市販されているオリゴ糖製品の有効摂取量は、一日あたり2~10gです。しかしオリゴ糖を急に摂取すると下痢を起こしたり、おなかが張ったりすることがあります。このような場合には1回の量を2~3回に分けて摂取する、または1日あたりの摂取量を減らして数日間かけて推奨されている摂取量まで増やす、という方法があります。オリゴ糖に対する腸内細菌の「慣れ」を考えながら摂取することが重要です。

腸内細菌が健康的な好ましい状態であるかどうかを知るもっとも簡単な方法は、便を観察することです。善玉菌がたくさん酸を作っていると、色は黄色から黄色がかった褐色で、においがあっても臭くなく、形状は柔らかいバナナ状が理想です。逆に黒っぽい色で悪臭がある便は、腸内細菌のバランスが悪くなっている状態です。健康づくりにはおなかの中の同居人である腸内細菌の状態を良く知り、仲良くなることが大切です。

厚生労働省e-ヘルスネットより https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html

腸内細菌叢の組成変化が与える健康リスクについて、重要な論点を以下「人工甘味料と健康」から引用にて纏めます。

人工甘味料による腸内細菌叢の変化

人工甘味料の摂取が腸内細菌叢の組成を変化させ、代謝機能に影響を与えることを明らかに
した論文が2014年にネイチャー誌に掲載され、世界中で大きな反響をまきおこした。

この論文では、人工甘味料を与えたマウスから採取した細菌叢、あるいは人工甘味料が存在する状態で培養された細菌叢を他のマウスに便移植することで、糖尿病などの代謝性疾患への感受性を上げること、ヒトにおいても同様に人工甘味料によって代謝異常、耐糖能異常が誘発されることが示されとのこと。

人工甘味料の大量摂取は有害である可能性を明らかにしたようです。

肥満への影響

客観的に治療効果を評価することを目的とした研究方法であるランダム化比較試験(RCT)で評価した場合、人工甘味料摂取量が多いほど、摂取しない場合や摂取量が少ない場合と比較して、体重および肥満度(BMI)が低下していた。RCT から得られた体重および BMI に対する効果は少なくとも部分的にはエネルギー摂取量の減少による可能性が高かった

一方、ヒトの集団を追跡したコホート研究の系統的レビューおよびメタ解析から得られたエビデンスでは、非糖類甘味料の摂取量が多いことは、BMI が高いこと、および肥満の発症リスクが高いことと関連していた

痩せている人の腸内細菌叢の組成と、肥満の方の組成は大きくことなるようです。

糖尿病・糖代謝との関連

人工甘味料はエネルギーを含まないため、摂取しても血糖値、血中インスリン濃度、GLP-(Glucagon-like peptide-1)濃度に変化はなく、糖代謝に直接の効果はないことが確認されている。
しかし、長期の観察研究では、人工甘味料が糖代謝異常や糖尿病の要因となる可能性が示されている。

フランスでの10万人の追跡で、人工甘味料が糖尿病発症のリスクになっており、人工甘味料を多く使うグループでは、糖尿病となるリスクが69%も高くなっていた。
日本人男性の追跡調査でも、人工甘味料を含むソフトドリンクを週に 1 カップ(237ml)以上飲む者では、全く飲まない者と比較して1.7倍糖尿病になりやすいことが報告されている

この研究結果だけでもリスク評価できると思いますし、人工を含む甘味料は極力避けるべきと結論付けて良いと考えます。皆さんはどのような評価をなさいますでしょうか。

心血管疾患との関連

以前は人工甘味料の使用は体重のコントロールを介して、心血管疾患の予防にも有用と考え
られていた。しかし、こうした期待は多くの研究で否定されている。

10万人のフランス人のコホートを対象とした最近の研究でも、人工甘味料全体、特にアスパ
ルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースの摂取量が多いほど心血管疾患リスクお
よび脳血管疾患のリスクが増加していた。


リスクの増加程度はわかりませんが、血中に異常をきたす可能性が高くとても怖さを感じます。

小児・妊婦への影響

小児は、成長期にあり、代謝が早く、体の大きさも小さいため、薬物などの影響は一般成人よ
りも大きいと考えられる。しかし、人工甘味料の小児を対象とした研究から得られたエビデン
スは成人を対象とした研究よりもはるかに少ない。

小児を対象に実施された肥満に関するRCTでは、砂糖入り飲料を人工甘味料含有飲料に置
き換えたところ、正常体重の小児で体重増加を抑え、脂肪蓄積を減少させたことが報告されて
いる。

妊娠中の体重増加を抑えるなどの目的で妊婦の約30%が意図的に人工甘味料の摂取をしてい
るといわれる。

妊娠中の動物モデルにおいて、人工甘味料の摂取は、甘味嗜好の変化や、子の肥満、腸内細菌叢の異常、肝機能検査異常と関連していることが明らかとなっている。ヒト妊婦での実験では、アセスルファム、シクラメート、サッカリン、スクラロースのすべての胎児血漿中濃度と母体血漿中濃度との間には直線関係が認められ、これらの甘味料は胎盤を通過し、胎児循環と羊水に入っていくことが報告されている。 3 件のコホート研究のメタ解析では、妊娠中の人工甘味料の使用量が多いほど早産のリスクが増加していたが、出生時体重または出生後の子供の体重と妊娠中の人工甘味料使用量との関連は一貫していなかった。また妊娠中の人工甘味料の使用により子の情動の障害、喘息やアレルギーのリスク増加、認知機能の低下などが起こる可能性が報告されている。


皆さんいかがでしたでしょうか?
私は、これほどまでに次から次へとリスクがあるものかと、逆の意味で関心しました。
以前勤めていた会社でお付き合いある仕入先の担当者が、物凄く痩せているのに糖尿病を患っていました。少食でお酒もあまり飲まないし、間食もしない。本当に不思議だったのを覚えています。
ひょっとしたら、腸内環境に問題を抱えていたのかもしれませんね。

アセスルファムKの安全性

最後に、札幌市に所在する内科の院長がクリニックHP内に、人工甘味料の危険性を訴える専門的な記事を公開なさっていたので、一部抜粋をご紹介させていただきます。

アセスルファムK
■製造過程で発がん物質混入の可能性

 安全性で問題なのが、製造工程で発がん物質塩化メチレン(ジクロメタン)を溶媒として用いていることです。塩化メチレンは有機溶媒としてさまざまな物質を溶かす性質を持っています。しかし、毒性が強く印刷工場などで働いている人に胆管癌を発生させたことから、厚労省も正式に発がん物質として認めました。IARC(国際がん研究機関、International Agency for Research on Cancer3))の発がん性リスク評価4)でも、2014年Group2B(ヒトに対する発がん性が疑われる)からGroup2A(ヒトに対するは発がん性がおそらくある)に降格された発がんの危険性が高い物質です。塩化メチレンは肺・消化管から吸収されます。体内では代謝を受けず、肝臓から胆汁として便中に、腎臓から尿中に排泄されます。そのような毒性の強い発がん物質を溶媒として用いているのです! 塩化メチレンが不純物として入り込んでくる可能性はないのでしょうか?

 現在、アセスルファムKはすべて輸入されています。以前は開発国のドイツからの輸入が多かったのですが、最近は価格面で優位の中国からの輸入が増えてきています(図2、3)。原産国での製造工程については、ほとんど分かっていません。したがって、不純物の混入・残留などについてもチェックもされていません。塩化メチレンの残留に関しては、ドイツから輸入されたものはおそらく大丈夫なのでしょう。なにしろ、ドイツ国民も口にするのですから…。しかし、中国からのもとなると!? 大いに懸念が残ります。

 また仮に塩化メチレンの残留が全くないとしても、たとえ食品添加物といえども「口に入るものの製造過程で発がん物質を使用する」ということに拒絶反応を起こすというのが自然な感情というものではないでしょうか


本当に危ない人工甘味料(その3) |くにちか内科クリニック (kunichika-naika.com)

引用が多く読み辛かったかも知れませんが、健康寿命を求めるうえで非常に重要な論点が多かったため記事に載せました。

是非、加工品食材や食品、飲料など購入するときは原材料欄を見てくださいね!
甘味料はほどほどに、人工甘味料は出来るだけ摂らないよう心掛けたいです。

記事を読んで良かったよ!考える切欠になったよ!と言う方がいらっしゃいましたら、是非SNS等でシェア、コメントをくださいねー!

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