イタリアンレストラン伊和香

大阪府豊能郡豊能町ときわ台にひっそりと佇む、イタリアンレストラン伊和香。お客様の健康寿命を第一に、無添加、化学調味不使用、肉野菜などの原材料は全て国産に拘り抜く、一風変わったレストランです。

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手作りの料理と付加価値①

経済

今回は、付加価値について考えたいとおもいます?
普段何気なく必要なモノや欲しいモノを購入していますが、大抵の方は価格を見て「安いの?」「高いの?」と思考を巡らせますよね?
または、外食へ行って会計を済ませて、「美味しかったね」「コスパが悪いなぁ」とか、特に初めて行ったお店へは、リピートは有るのか無いのか、評価したりもします。

「幾らで仕入れて」、「幾らで売るのか」はその会社やお店次第ですし、安価に購入できるよう大量仕入れを行ったり、付加価値を高めるために労力を費やしたり様々です。
そもそも「商売」とは、「仕入たモノ(或いは資源)」に新たな「価値を加えて」売ると言うことですよね。当然、価値を付加して売る訳ですから、仕入れ価格に利益を上乗せをしなければなりません。

売上 - 売上原価仕入 = 粗利益(付加価値)

では飲食業に於ける付加価値とは、どのようなものなか見ていきましょう。
まずは、仕入れた食材を「調理(加工)」して「料理(商品)」を提供(売る)、その他に「空間(客席・BGM)」の提供や、スタッフによる「接客サービス」の提供も含まれますよね。
今回は、「調理」にスポットを当ててみたいと思います。

調理と付加価値

調理するにはまず食材ですよね。そして調理器具や厨房機器、その他にはエネルギー(水道・電気・ガス)、あと調理人の技術も重要です。

必要な資産:厨房、食材、調理器具、厨房機器、調理人(技術・時間)、エネルギー、衛生管理

どれだけ立派なシェフが居ても、食材や調理道具が無ければ、料理は作れません。その反対も然り。
ただ単に、食材を仕入れてシェフが料理を作るだけでも、その背景には沢山の資産やエネルギーを必要とし、多額の投資で調理環境の構築がなされています。
上記「必要な資産」で示す項目全て「コスト」として捉えなければならず、料理の販売価格決定に大きく影響をもたらします。換言すれば、「一皿の料理」「氷山の一角」であり、それを支える見えない部分は、投じられた「資産(コスト)」と言えます。一般論として、お店や料理を評価すると際、この氷山の一角である「一皿の料理」だけを比較し、良し悪しやコストパフォーマンスを見られがちです。
月の影たる部分を見ようとするのと同様に、一皿の料理を支える部分にも着目すると、「見た目や美味しさ」だけでない「付加価値」に気づくことが出来るかも知れませんね。


衛生管理費は付加価値?

数時間煮込むソースを仕込んだとします。その際、①氷水で一気に10度以下まで冷ます⇒冷蔵庫で保管②放冷(数時間)⇒冷蔵庫で保管。衛生コストが高いのはどちらでしょうか?
応えは①です。理由は二点、まず「氷」です。氷は一般的に製氷機で作りますが、調達コストに加え電気を大量に使用します。更に冷却できるまで、嫌気性のウェルシュ菌等の対策でソースを「混ぜ続ける」(酸素を回す)必要があります。「混ぜ続ける」とは、「労力(時間)」を必要とし、これも高いコストを払うこととなります。
製氷機35Lサイズの一番小さなタイプでも、1000Lの業務用冷蔵庫に匹敵する程です(メーカーによる)。ご自宅の冷蔵庫も同様で、氷を沢山作る場合、冷蔵庫の電気代が大きく変わるはずです。
次に、氷の原料である水です。因みに、水道料金は、地域によって大きく異なるんですよ。
以下ご覧ください。

順位 市町村 1ヶ月の料金(口径13mmで月20m3使用した場合の月額料金)
82位 茨木市(大阪府) 1,998円
228位 高槻市(大阪府) 2,376円
533位 箕面市(大阪府) 2,854円
684位 川西市(兵庫県) 3,132円
1261位 豊能町(大阪府) 4,816円

みてください!豊能町は隣の茨木市とは倍以上で、めっちゃ水道料金が高いのです?水道は、料理や洗い物、清掃、トイレの排水など大量に使用するので、この違いはある意味死活問題な訳です。
水道はライフラインの一つ、言葉の通り「命を繋ぐ経路」であり、県や市町村で価格が異なること自体あってはならないとです。人口の少ない所や、汲み上げや特殊な事情でコストがかかるから仕方ない、等言われがちですが、大きな間違いと考えます。この話題は大変深いので別の投稿でしっかり述べたいと思います。

下記リンク確認頂けます。
水道料金ランキング!1345市町村の順位を公開、6,000円の差も | 水と暮らす (waterserver-mizu.com)

さて、話を衛生管理費に戻しますが、②の放冷、要は常温でほったらかしにするので、他の作業をできるため、生産性は①より上がりますし、氷や水も不要ですので冷却コストはほぼ無しと言えます。ですが、お分かりの通り「衛生リスク」が激高します。腐りやすく、特にウェルシュ菌が増殖すれば、毒素が形成され摂取すると食中毒を起こします。この毒素は熱に強く、100℃で1時間の加熱でも分解されず、形成されたら最後どうしようもありません。また匂いなどでは判別できないので、とても怖い細菌です。(ご自宅でカレー等を作って保管する場合は、必ず冷めるまで混ぜること(酸素を回す)、30分以内に20度以下、可能であれば10度以下にして冷蔵庫で保存をお勧めします)
お客様を苦しめる食中毒を防ぐためにも、衛生コストは必須でありますが、調理担当者の意識が最も重要なことは言うまでもありません。

衛生コストをきちんと掛けているか、見極める方法(可能性)を一つご紹介しますね。
至って簡単で、お店や厨房内の清掃が行き届いているか、重要な指標となります。とりわけ、オープンキッチンならば、厨房のダクト(換気)周辺を見てみてください。黒く変色した油がべっとりとこびりついている様ならば、衛生管理を疎かにしている場合が高いです。独断と偏見ですが、経験上ほぼ比例しています。(お客様から見えるオープンキッチンで堂々と「汚れ」「見せている」、と言うことは衛生管理の優先順位は低いと言えるでしょう)
私は外食へ行った際、必ずチェックするようにしていますし、程度によっては注文をせず帰ることもあります。

同じ料理でも、衛生管理をきちんと行い仕上げた一皿と、そうでない一皿は一見同じようでも、掛けているコストは大きく異なる訳です。掛けているコストが違うと言うことは、販売価格も違ってきますよね。

もう少しだけ、付加価値を確認します。
<保存はコスト>※生産性については省きます
冷蔵庫に食材を保管するだけでも食材コストが上昇します。
「保管」すると言うことは、まず食材を調達する必要があり、時間(選定・発注・納入確認)購入代金(食材費・送料)、以上二種類のコストを計上します。
次に、冷蔵庫も調達コストが必要ですし設置する場所の確保、更に稼働させるための電気が必要となります。
以上整理しますと、「食材を一日保管する」と言うことは、「食材の調達コスト+保管コスト」となる訳で、保管日数が長くなればなるほど保管コストが上乗せされ、調達時の食材費より高くなることがわかります。
実際、ここまで細かく意識はしないのですが、例えば倉庫業は保管費(倉賃:くらちん)をいかに抑えて、早期に出庫(売る)かが利益を左右するので、重要な観点となります。
いつでも調理提供できるように食材を「調達・保管」しておく、調理をしていないこの時点でも食材だけにフォーカスすると、見方次第では既に「価値を付加」していると言えるのかも知れませんね。

さて、その大切な食材を経験と努力で培った調理技術、その他資産やエネルギーを使用して一皿の料理を作る訳ですが、ここで外からでは見えない姿を少しお見せします。

拙い冗長な記事をお読み頂きありがとうございました?‍♂️
次回手作りの料理と付加価値②へ続きますので、記事を投稿するまで暫くおまちくださいね♪





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