今回はタイムリーな話題を取り上げたいと思います。
2024年9月7日現在、コメ不足が続いておりスーパーや量販店に於いて陳列棚から米が消えたままです。大手外食など普段から年間契約で調達しているところは、「提供できない」と言った事は無い模様ですが。
皆さん、現在の米不足に於ける状況をどの様に感じていらっしゃいますか?
お米は取り合いになるし、価格は上がるし。一昨年は稀にみる安さだった時からすれば、想像もできなかったと思います。[wp_objects_pdf]
私は正直に申し上げて、今回のコメ不足にはめっちゃ腹を立てています😡😡😡
誰に腹を立てているか?
一つに絞れば過去現在の政府ですかね。
伊和香を開業する前、大手飲食会社に二十数年勤めていたのですが、その際にあらゆる仕事をさせて頂いておりました。
現場のシェフを上がってからは、様々な仕事をこなす傍ら、仕入購買部門でお米の調達にも携わっていました。
お米の仕入先は概ね、全農パールライスで当然相手は米専門の超プロフェッショナルです。そのような仕入先を前に交渉を行うのですから、こちらが知識を持たない訳にはいきません。
と言うことで、お米の生産から精米、貯蔵、供給(配送)についてとことん、めっちゃ勉強したんです。ブログを続けて読んで下さっている方はお分かり頂けると思いますが、私は性格上徹底的に深堀して情報を集め分析をするので、結果より多くの知識を得る事ができました。年数にして7~8年間位かな(米だけではなく、青果や肉、魚、輸入品グロッサリー等も)。自慢ではありませんが、当時担当していた西日本パールの部長に米屋以上の知識をお持ちで、とお褒め頂いたのを覚えています(お世辞でしょうけど真に受けました)。
過去そのような経験があるからこそ、現在の状況を見ると強い憤りを覚えざるを得ないのです。
それはなぜか・・・
高々数年携わった者が容易にコメ不足は予知できたからです。
だって生産量を毎年減らし、農家さんの所得があまりにも低いため、廃業をよぎなくされているんだもん。
過去の経験をお話しましたが、取り分け稲作農家さんの置かれる状況を知れば知るほど愕然としたんです。それは、あまりにも過酷で胸が苦しくなりました。
改めて、お米って主食ですよね。そのお米は農家さんが汗水たらし、過酷な自然と相対しながら生産して下さっている訳ですが、どれだけの人が感謝されているのでしょうか。
少なくとも政府関係者、霞が関の官僚の皆さんは露ほどに感じていないと思います。
心から感謝しているならば、主食である米を生産する農家さんが「廃業し続ける環境を放置」しないでしょう。政府は口を開けば安全保障、安全保障って連呼していますけど、実際はほとんど放置ですからね。
なぜ放置してきた、と言ってしまえるか、それは減反政策一つをとって見ても明らかだからです。
減反政策とは
需要が減少する中、生産過剰となった米の生産量を調整するための政策で、米の作付面積の削減をめざし、稲作農家に転作を促すための政策。減反転作した農家へは規模に応じて補助金が支払らわれ、米の生産量の調整を図りつつ、転作地では不足している国産飼料などの生産を進める。
1960年代から試験的に実施され、1971年に本格的に導入。2018年、そして約50年に渡る実施を経て減反政策は終わりを迎えた。
減反政策をサラッと眺めると、そうなんあだぁ・・・で終わると思います。
初めは私もそうでした。
しかし、少し考えると色々事がみえてきます。
まず、生産過剰となった米が問題で、生産調整するための政策、と言うのは分かりますね。皆さん生産過剰がなぜ問題か、分かりますか?米が余って勿体ないからでしょうか。
実はこの問題、需要と供給の関係が理解できれば話は早いんです。
需要に対し供給が過剰と言うことは、そのモノの価格が相対的に安くなり、逆に需要が供給を上回る状態では価格は上昇する。
要するに、減反政策は生産量を縮小させることで、流通するコメの価格を維持若しくは上昇させることを目的としている訳です。これは何ら推測や憶測ではなく、ただ単なる事実です。
恐らく長期的に、主食の穀物作る田畑を減少させる政策をとっている国は日本位ではないでしょうか。
ではなぜ、政府にとって米の生産過剰な状況が良く無いと考えられているか。
稲作農家さんの所得が減少するからです。
(農家さんの所得はとても大切なことは指摘するまでもありません)
因みに米の流通価格は結構複雑で、家庭や外食(中食含む)の需要だけで決まる訳ではありません。大手商社による在庫抱え込みや政府の隔離政策(何れも市場から米を隠す)、今回のように買い占めなど、様々な状況で価格は左右されます。更に、相対取引価格も米相場には欠かせません。
下記グラフを見ていただきたいのですが、下から2番目の3年度(令和)、年間通してめっちゃお米が安かったですよね。
私は「滋賀県産みずかがみ」が大好きで良く購入している品種なのですが、相場が安定している時で420円/kg前後、それが令和3年度は一番安い時で300円/kg位だったのを覚えています。
農家さんは一般論として、相場で15,000円/60kgが損益分岐点と言われており、当然のこと下回ると赤字です。
因みに私は、個人の稲作専業農家さんについて儲かって仕方がない、状態で丁度良いと考えます。
農家さんが所得を確保できることで、安心して親から子へ農業を引き継ぎ、新規参入者も増加し、生産量が維持上昇することで、流通面(供給)、価格面で安定するからです。なによりお米は基幹産業ですし、衣食住で最も大切な「食」、その「主(食)」を生産して下さる稲作農家さんは、最高位の職業と考えます。
現在、稲作農家の専業割合は概ね3割切る程度、あとは兼業で農業以外所得が主な「準主業農家」や「副業的農家」が多くを占めます。兼業農家さんが多い理由も、「米を作っても儲からない、専業では食べていけない」からではないでしょうか。
そもそも、主食であるお米の価格を不安定で市場に任せていること自体、問題だと思います。
麺類だとか食パンなどは製品ですから、市場で需要と供給により価格が決まるのは良いと思いますし、米製品で言えば「パックの炊飯米」も同様です。
主食のお米は、ある意味上下水やガス、電気などライフラインと同様と捉えても良いじゃないでしょうか。ライフラインを営利目的で活動する株式会社などに開放するとどうなるのでしょうか。
少しお話はそれますが、現在日本はアメリカ主導の株主資本主義にどっぷり嵌っています。利益の最大化を求める株主、換言すると配当金を短期的に最大化することだけを目的とし、株主が会社へ強烈に要求するのです。
また株主が外国人ならばどうでしょうか。外国人の投資家が、日本の経済や日本人のことを考えてくれるのでしょうか。かけらも考えないでしょう。あくまで利益になるか否か。ただそれだけ。
また、日本の株を約3割以上を外国人が保有しており、年間通して株の売買を行っている金額の約6割以上が外国人と言われています。
と言うことは、日経平均株価は外国人投資家その大半を動かしているので、昨今4万円超えた理由も「単に外国人がより利益を欲するため」にドル高円安と、日米金利差を最大限利用した結果に過ぎないわけですな。そのような状況を一喜一憂している政治家を初め、マスコミの姿は滑稽でしかないですね。
話しを戻しますが、そのような株式市場にお米が投下されているとしたら、ゾッとしませんか。
全農の集荷率が全国平均で約50前後と低下(農家から買取や代理販売)している一方、農家が直接問屋や商社へ販売販売が増加しています。
全農からの販売先、コメ問屋や商社の株主はどのような状況でしょうか。調べないとわかりませんが、特に大手の株主がもし外個人ばかり握っていたら、と想像してみてください。
繰り返しになりますが、外個人投資家は株の配当金を最大化すること、高値で売り抜くことだけを目的にしています(いわゆる投機)。ならば、お米が高い価格で流通すると当然、会社の差益は大きくなります。そのような状況を可能な限り続けるよう、株主が求めるとしたら?
推測の話はこれくらいに留めますが、以上の理由により主食である米価を市場に委ねることは必ずしも適切でない、と考えます。
減反政策はお米の需要が減少しなければ必要の無い政策でした。
なぜ、お米の需要が減少しているのか、人口減少も勿論ありますが、何より主食の地位を取って代わる程の勢いで、小麦の需要拡大しているからでしょう。
皆さんご存知だと思いますが、戦後GHQによるアメリカ国内余剰小麦を、政策的に飢えている日本へ持ち込み、それまで影の薄かった「小麦」をねじ込むことから始まったと言われています。そして、GHQが目を付けたのは学校給食で、献立にそれまで無かった「パンと牛乳」を多く取り入れさせ、半ば無理やりに小麦文化を植え付けたわけです。
輸入小麦が安い価格で溢れるように入って来て、キッチンカーなるもので全国的に小麦料理(サンドイッチ等)を推進、その最初に導入されたのが大阪で、それを切っ掛けに「お好み焼き」や「たこ焼き」等の粉物文化と呼ばれるものに繋がったようです。GHQが作った文化?
米国の意図は実現された
GHQの日本占領政策の第一は、日本農業を弱体化して食料自給率を低め、①日本を米国の余剰農産物の処分場とすること、②それによって日本人を支配し、③米国に対抗できるような強国にさせないこと、であった。①のためには、日本人がコメの代わりに米国産小麦に依存するようにする学校給食を使った洗脳政策も行われた。
更に、安い輸入小麦を使った料理として様々なものが開発され、ラーメンもその時に闇市などで誕生したようです。ラーメンもまだまだ文化と呼べるような歴史はなさそうですね。
日本で小麦を使った料理は、天ぷらや素麵、うどん等歴史はあるようですが、それらを除くと概ね戦後食べらるようになったようです。どんどん小麦の需要が拡大していき輸入依存度を高め、現在に至っては後戻りできないところまで来ています。GHQの思惑通りで末恐ろしさを感じます。
過度なグローバル化が進み、あらゆる国の料理が輸入され、フランスやイタリア、メキシコやインドなどありとあらゆる国の料理が輸入され現在に至ります。
悩み
伊和香で提供しているパスタも例外ではなく、米需要を押し下げている現実に目を向けると、正直なところ心苦しくあります。しかし一方で、パスタにしろ、パンやラーメンなど主食となる小麦料理(製品)は、あくまで嗜好品であるべきと考えています。
生クリームたっぷりのケーキや、和牛のステーキを朝昼晩、毎日食べないですよね。せいぜい月に1、2度。それと同等まで言わないまでも、少なくともパンやパスタ、ラーメンは多くても週に1,2度位に留めて楽しむ程度が良いと考えています。
お店のことだけを考えれば毎日召し上がって頂きたいところですが、農家さんの置かれている現実を見るとそうも言ってられません。現在、米の需要にも貢献できるよう、米や米粉を使った料理や商品開発を行っていますので、この場を借りて少し紹介いたします。
新商品①米粉シフォンケーキ
現状はプレーンのみ予約限定でお作りしていましたが、何度も改良を重ね、プレーン以外の味も見事開発に成功しました!在庫の国産小麦がなくなり次第、販売してるシフォンケーキ全てを米粉へ切り替える予定です🥰
新商品②奈良まほろば赤牛のステーキ重
テイクアウト用に「奈良まほろば赤牛」を使用したプレミアム和牛ステーキ重をリリース予定です。部位も贅沢に、肉と脂の旨みのバランスが良い「いちぼ」を使用、梅(60g)¥1,800〜提供いたします。本場フレンチさながら、自家製「グラス・ド・ビアン(フォンドボー煮詰め)」と醤油(無添加)、ポルト酒で作る、肉のおいしさを更に引き立てるソース。
肉は低温調理で約5時間かけて完全加熱。低温調理の利点は、加熱済みなのに旨みや水分が肉に閉じ込めれるところです。要するに「超しっとりで美味しい!」と言うことです😁
完全加熱済みだから、レアな生肉感がお嫌いな方でも、美味しく召し上がって頂けます😋
見ての通り、米需要の減少の仕方は凄まじいですよね。ちなみに、今より人口の少なかった戦前は1200~1300万トンほど需要があったことを考えれば、いかに減少したか一目瞭然です。
農家さんも1970年には466万戸あったのが、2020年には70万戸まで激減。農家さんの大規模化や法人化など、実際にはこの数値だけで農家さんの減少を語るには足りない情報もありますが、いかに廃業を選択された農家さんが多いか、お分かり頂けるかと思います。
当然ながら、国民一人当たりの年間米消費量も激減しており、GQHの主食小麦化政策に加え人口減少、主食の多様化、海外の様々な食文化が流入した結果とも言えそうです。これが時代の流れだけで片付けて良いのか、一旦総括は必要と思います。
下図は、農林水産省で公開されている小麦の自給推移グラフとなります。
輸入量が圧倒的に多く、現在に至っては少し国産が盛り返しつつあるも、約15%程です。
主食穀物の割合が米と小麦で約半々となっている状況で、異常な小麦の需給率の低さは安全保障上、危機的状況で、他国(先進国)なら直ちに対策を講じて数年以内に需給率を高めるでしょう。実際にお隣のChinaでは人口増加及び生活水準が大きく上昇し重要増加、輸入にでカバーしていたためあらゆる品目で需給率が低下していました。そこで需給率を高めるべく、食糧安全保障強化策を打ち出し矢継ぎ早に政策を実施していく模様です。
日本は、世界で稀に見る危機的な状況であるのにもかかわらず、大してお金は使わず悠長に小手先の政策を実行しています。共産党独裁国家と周回遅れのグローバル化を未だに叫ぶ日本との違いは何なのでしょうか。
生産と労働
私は意識レベルに於いて、少なくとも家族単位で自身の食べるものは生産すべきと考えています。
昨今、各種プロスポーツや様々な娯楽(エンタメ全般)、各種エンジニアやドライバーなど、職業の多様性を認め合い支え合って生活を営んでいますが、もし農家さんが自足分だけしか作れなくなったらどうなるのでしょうか。
ハイレベルなスポーツ競技を見てもお腹は膨れないし、漫画やアニメ、歌、お笑い芸人を見てしても飢えは凌げません。
稲作農家さんは、平均年齢65歳を超える状況下でありながら、ほとんどの方(特に個人)が赤字で生産販売して下さっています(鈴木宣弘教授より)。
役員を除く会社員の定年て何歳なのでしょうか。皆さんが勤めている店、会社、施設など見渡して、平均年齢65歳以上だとするといかがでしょうか。異常ですよね。あり得ませんよね。
中には心身共に元気で身体が動かなくなるまで頑張るよ!と言う農家さんもいらっしゃるでしょう。逆に、日々生活の為に体に鞭を打って頑張る方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら総じて、このような状態を続けれるはずがありませんよね。小学生でも理解が容易いでしょう。
無いものは無い。どれだけお金を積んでも買えません。当たり前の事実です。
スーパーの棚から消えた米を買えないのと同じです。(いつになったら買えるのか!?)
大袈裟と思われる方も多いと思いますが、「私達に代わり農家さんが米を生産して下さっている」、と考えるといかがでしょうか。
もし、自分達が自分達で食べる分を、畑で生産しないといけなくなった場合を想像してみてください。因みに私はよく想像しています。
外で働いてお金を稼いでも、お米を買えないんですよ。そこに、巨大地震が来て、更に有事が発生してシーレーンが封鎖されて輸入品が届かなくなったら?それこそ、完全なる飢餓に陥ります。(シーレーンを通じて日本へ輸入される量は、全体の約94.5%を占めています)
少なくとも私は、何もかもそっちのけで畑を耕し食べ物を生産すことに勤しむでしょう。
嫁さんや子供を飢えさせる訳にはいきませんからね。
沢山勉強なさって大企業に勤め世に貢献されている方、大学で研究に勤しむ方、私も含め自分達が好き嫌い別として多様な仕事ができるのは、他でもない基幹産業である農家さんが生産して下さっているから、ではないでしょうか。是非、この辺りについて皆さんのご意見をお聞きしたいです。
もう一つ例えるなら、家庭で嫁さんが家事育児をしてくれていると仮定して、旦那が外で働いています。大手商社勤めで年収1500万あるとしましょう。旦那が落ち着いて外で仕事に専念できるのは(稼げるのは)、嫁さんのおかげでもある訳ですよね。と言うことは、年収の半分は嫁さんが得ていると言っても過言ではないと思います。いかがでしょうか。
(いやマジで、家事だけでもきっちりやれば立派な仕事ですし、そこに育児もとなれば・・・)
これと同じような理屈で、自分達がお金を出せばご飯にありつけるのは、汗水流し農家さんが生産してくれているおかげ。
その農家さん赤字で苦しんでいるとなれば、私は米を取り巻く仕組みがおかしいと感じる訳です。
米不足の話しに戻りますが、米の流通価格が上昇すると言うことは、農家さんにとって短期的に所得面では良いかもしれませんが、庶民としては困った事になります。なぜなら、主食であるお米の価格が乱高下、供給量(流通量)が不安定ならば、取り分け低所得層が被害を被ります。要するに国民が飢える状況となってしまと言うことです。
実際大袈裟でもなく、私たち家庭も3週間以上購入できず、嫁さんがやっとの思いで生協で調達できたのですが、価格を聞いてびっくり!何と5kgで3480円でした😡😡😡
あり得ません。本当に苛立ちが募ります。生協の価格の決めの仕組みを良く知らないので、勝手なことを言えませんが、現時点(9/7)において恐らくふるさと納税品を除き、日本で最も高い部類の値段だと思います。
下記、最新の農林水産省お米のマンスリーレポートから、精米の購入経路別の単価表がありました。
じっくり見て欲しいのですが、他年度と比較し令和6年度の価格上昇ペースが大変なことになっているのがわかります。生協欄(中央)を見てください、6月784/kgとなっていますでしょう。こんなの、幾ら高い時期とは普通は買えませんよね。
実は政府って、備蓄米を100万トン以上保有しいるんですよ。令和5年度で約700万トン前後の生産量ですから、約1/7でとてつもない量を保有しています。
何のため備蓄しているかと言えば、有事や大規模災害(自然を含む)など何らかの事情で食糧安全保障が脅かされる際に(国民が飢える)、市場又はその他流通経路へ放出するためです。因みに備蓄は政府だけではなく、大手民間業者や地方自治体も保有しています。
先日、大阪府の吉村知事が備蓄米の放出を決めた、と報道がありましたね。
ところが政府ときたら、「もう少ししたら新米の時期だし、1993年程ではないので、特に対応はしない(備蓄米を放出しない)」と説明していたらしいです。
下記、緊急提言の内容を一部ご紹介いたします。内容にもありますよう、生産者保護の観点から米価下落させないよう備蓄米の放出を見送ったようです。
は?って思いません?
農家さんは所得補填(差額補填)をしつつ、備蓄米を放出して米価を落ち着かせるべきでしょ!
所得補填は財源が必要で、農林水産省には予算が無いし、財務省は我知らずで国債に頼らず逆に不要コストは削減しろ!ですからね。
そもそも財源なんぞ不要なのに。
財源論については、ブログでちょこちょこ触れていますが、別途改めて記事にしたいと思います。
コメ不足に対する緊急政策提言
山下研究主幹が農業林業分科会会長を務める制度・規制改革学会は、『コメ不足に対する緊急政策提言』を発表しました。
コメ不足の背景農林水産省とJA農協は、コメの需要が毎年10万トンずつ減少するという前提で減反(生産調整)を進めてきた。猛暑以前の問題として、作年(2023年)産のコメの供給量は前年に比べ10万トン減少させていたのである。農林水産省やJA農協による減反の強化で、この2年間に米価は2割上昇した。来年はさらに3割上昇して食管制度時代の米価に近づき、コメの取引手数料に依存する農協にとっての大きな利益となる。今回の米不足でも備蓄米を放出しないのは、米価下落を防ぐ生産者保護政策である。かつて政府は米価が低下した際、市場から備蓄米として一定量を買い上げ隔離して米価を支えたことがあったが、今回はその逆のケースといえる。
https://cigs.canon/article/20240905_8318.html
と言うことで、備蓄米を放出しない政府は「次期総裁選」と「アメリカの大統領選挙」で頭がいっぱいですので、期待ゼロですね。次期総裁は重要ですが。
昨日9/6の報道で、農林水産省が大手コメ問屋約15社を呼んで意見交換ヒアリングを行ったらしい。
今頃ヒアリング?
自分達が作った農林水産省のマンスリーレポートで、購入経路別の購入単価調査で纏めておいて、どれほど品薄でどれほど価格高騰しているか、わかっとるやろ?と思うのですが私だけでしょうか。
これじゃ、新米が出てきてもかなり高騰するんでしょうね。商社も問屋も流通単価高騰している方が儲かりますしね。
繰り返しになりますが、主食と言うのは他の食材とは異なり、直接的に国民が飢える可能性がある、と言うことを踏まえなければならないのです。何度も申し上げていますが、要するに基幹産業だから。
じゃあ、農家さんの所得を確保しつつ、低所得者でも安心して米を購入できるようにするにはどうすれば良いの?となりますよね。
手っ取り早くは、海外と同様に政府が所得補償すれば良いだけです。
その手段は多種多様にあると思いますが、シンプルな方法として輸入小麦に真似て政府が一旦全量買い取り、値決めをしつつ流通させれて良い考えます(意外に難しいかも知れませんが)。政府が全てを買い取るため安定した需要を創出し、農家へ赤字にならない価格で購入し所得を確保。需給を円滑に行う方法はそれこそ、エリートである官僚や政治家が知恵を絞れば良いだけの話。
しかし、農水省がやりたくて要求をしても、財務省に弾かれてしまい予算は組めない、ことが目に見えた現実です。
過去の記事でも書きましたが、日本ほど農家さんを大切にしない国は無い思います。
世界に目を向けると、取り分けヨーロッパは国が陸続きで多くの飢餓を経験しているため、国民が飢える事が無いよう、農家さんを徹底的に保障し、生産し続けることができる環境を構築しています。
その結果、余剰が生まれ(輸出目的の国もありますが)海外へ販売し外貨を得ています。
フランスの農家では所得の約8割以上が政府による補助などで支えられており、実質的に公務員と言える状況のようです。前述の通り、政府が一旦米を全量買い取ると言うことは、農家さんが間接的に公務員のような存在となります。
コメ不足についてマスコミなどで報じられている内容は、昨年高温で品質低下、増加したインバウンド需要、コロナ禍以降米の需要が少しずつ伸びている。加えて、地震(災害)に備えた買占め。大体、こんな感じではないでしょうか。
備蓄に走るとどのような食材でも、一時的に品薄となってしまいますが、そんな簡単に主食である米がスーパーの棚から消えて良いのでしょうか。
良い訳がありません!
記憶を遡ること1993年、確か雨が多く冷夏で作況指数は最悪で、米不足が深刻化し初めて(少なくとも自分自身は)非常に低品質の「タイ米」が一時的に流通していたのを覚えています。
現在のコメ不足はそこまでの状況では無いと感じていますが、それでも酷い有様だと思います。
実は現在、伊和香でテイクアウト用の新商品を数品開発しており、その中でもご飯を使用するメニューがあるので、リリース時期の判断も踏まえ、米の状況をネット情報を中心に調査しました。
表向きは前述の通りで、インバウンドや買い占めが殆どを占めておりましたが、私が尊敬して止まないお方の一人「鈴木宣弘」東京大学大学院教授が、怒りの声を発しておられました。
あらゆる媒体で記事を寄稿されており、YouTubeやSNSを通じて農業の危機を発信されています。
その中でも、JAcom(農業協同組合新聞)で掲載されている記事を一つご紹介させて頂きます。
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「コメ不足」「バター不足」を猛暑のせいにするな~農家を苦しめる政策が根本原因
過剰を理由に買いたたき、こんどは足りぬ?
過剰、過剰と言われたコメが、突如足りないと言い始めた。昨年の猛暑による減産・品質低下と訪日客の急増による需給ひっ迫と言われるが、猛暑などの異常気象は頻度が高まっているし、インバウンドも、コロナ前に戻った部分が大きいのだから、想定外とは言い難い。根本原因は別にある。過剰在庫を理由に、①生産者には生産調整強化を要請し、②水田を畑にしたら1回限りの「手切れ金」を支給するとして田んぼ潰しを始め、③農家の赤字補填はせず、④小売・流通業界も安く買いたたくから、農家が苦しみ、米生産が減ってきているのが根底にある。
さらに、⑤増産を奨励し、コメの政府備蓄を増やしていれば、その放出で調整できるのに、それをしないから、対応できないのだ。
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】コメ不足は「3だけ主義」と政策のツケ
今、急速にコメ不足が顕在化しているという。いろいろな要因はあろうが、根底には、稲作農家の平均所得が1万円(時給にすると10円)というような事態に追い込んでいる「今だけ、金だけ、自分だけ」の「3だけ主義」の取引とコスト高に対応できない政策の欠陥だと思う。 買いたたきビジネスはやめるべきである。買いたたいて農家が苦しくなって生産が激減したら自分たちもビジネスできなくなる。それが今起こっている。消費者も安ければいいと思っていたら、食べるものがなくなってくる。 カナダの牛乳は1リットル300円で、日本より大幅に高いが、消費者はそれに不満を持っていない。筆者の研究室の学生のアンケート調査に、カナダの消費者から「米国産の遺伝子組み換え成長ホルモン入り牛乳は不安だから、カナダ産を支えたい」という趣旨の回答が寄せられた。農家・メーカー・小売のそれぞれの段階が十分な利益を得た上で、消費者もハッピーなら、値段が高く困るどころか、これこそが皆が幸せな持続的なシステムではないか。「売手よし、買手よし、世間よし」の「三方よし」が実現されている。 日本では、「三方よし」でなくては持続できないことがわからないのだろうか。社会全体がそうだ。今や、日本は、労働を買いたたき、先進国で唯一何十年も賃金と所得が下がり続け、先進国で貧困率が一番高い米国を抜いて1位になってしまったどころか、国連の飢餓地図(Hunger Map)で、アフリカ諸国などと並んで、栄養不足人口の多い国(ピンク色以上)の仲間入りをしている。ここまで、「3だけ主義」で一部の人だけが儲ける構造が進んで人々を苦しめている。このままでは日本社会が持続できなくなる。【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】コメ不足は「3だけ主義」と政策のツケ|JAcom 農業協同組合新聞
炊飯米を提供する飲食店が営業できない状況とはなってないようですし、全国どこにもお米が無い!と言う訳ではなさそうですが、少なくとも狭い私の周辺ではお米は一切売っていません。
そろそろ早期米が出てくる時期ですが、価格は高騰が続くでしょう。
全農が新米相対取引価格を前年比約114%UPで進める方針とのこと、またこの価格は2013年度から11年間の相対取引価格中で最も高くなったと報告がなされています。
鈴木宣弘教授のご発言にもあるよう、散々田んぼへ減らし続け、農家さんを資本主義に突っ込み所得を奪い続け、平均年齢65歳を超える状況下、挙句の果てに米が足りない!って、それは身勝手にもほどがあると思いませんか?
今回、改めて目の前にあった米が瞬く間になくなり、購入できなくなったこと。
お米がある大切さと有難さ、そして感謝の気持ち。私は改めて強く感じた次第です。
今回を機に、私達一人一人が食べ物があることに感謝し、生産してくれることは決して当たり前では無い、と事を忘れてはならないと思いました。
9/12現在最新の米不足に於ける鈴木宣弘先生による解説動画を共有いたします。
是非ご覧になってくださいね。
以下YouTube高橋洋一さんのチャンネルで米不足について、裏話的に解説されていましたので共有いたします(動画4分~)。令和の米騒動について、鈴木宣弘教授、及び高橋洋一さんの解説何れも、減反政策の結果であり一過性の需要でないこと、備蓄米を放出しない理由は流通価格を下げない為で一致しております。自画自賛する訳ではないですが、私の指摘はほぼ的を得ていた内容だったと思います。
この動画で改めてそうだよなぁ、と思ったことがありました。それは流通価格が高騰しても、農家さんの所得はそのまま増えない、と言うことです。なぜなら、農家さんが売り渡した後の「流通価格」ですから、当然と言えば当然ですよね。しかし、流通業者も今回さんざん儲けたようで、もう十分ですよ、っと言っているようです(動画の内容より)。
長々と思いの丈を書き綴りましたが、お米について少しでも考える切欠になりましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました🥰
皆様のコメントをお待ちしております。
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